【独立】個人事業主・起業家に役立つ話

【独立】個人事業主・起業家に役立つ話

雑所得の確定申告方法ってどうすればいい? 必要経費とは? どこまで経費に認められるの?

雑所得の必要経費とは? どこまで経費に認められるのか?

さて、インターネットが普及したことにより、ブログやアフィリエイト、LINEスタンプ、最近では仮想通貨・ビットコインで収入を得ている方も増えてきています。
給与とは違うので、趣味感覚でされている方は、お金を稼いでいる感覚を失いがちですが、そういった副収入も課税対象になることがあります。そのなかでも雑所得といわれるものについて解説していきます。

まず、雑所得って何やねん?

雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営利業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。

雑収入は必要経費がどこまで認められるの?

副業を公に認める企業も増えてきていることから本業とは別に副業を始めて、収入を得る人が増えています。

サラリーマンが副業によって収入を得ると、気になるのが副業で得た収入を確定申告する必要があるのかとということです。

原則として雑所得は、収入から必要経費を引いた金額が、20万円を超えれば確定申告が必要であり、20万円以下であれば確定申告は不要です。

ややこしいのが、収入の金額は比較的簡単にわかりますが、必要経費がどこまで認められるのかということです。

なんでもかんでも必要経費として計上していいかというと、もちろん明確なルールが存在します。

たとえば、所得税や住民税などは必要経費として認められていないこともルールの一つです。

ここでは、所得で必要経費を申告するために注意しておくことをご紹介します。

必要経費とは?

所得税法上、所得を得るために必要な経費のことを言います。事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。

(1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

収支内訳書の提出は必要なの?作成するのめんどくさいです・・・

収支内訳書とは、1年間の売上、原価、経費を申告し、最終的な利益がどれくらいあったのかを報告する書類です。

雑所得が20万円を超えている場合、青色申告している場合は「所得税青色申告決算書」に、白色申告している場合は収支内訳書に経費を記入して申告する必要があります。

雑所得の必要経費として申告するためには、基本的に領収書を提出する必要があります。

また、クレジットカードの明細でも少額であれば領収書として認めてもらえます。
必要経費を申告する際には、その年の1月1日~12月31日までに副業の経費として利用した領収書を保管しておいて提出すれば問題ありません。

雑収入の必要経費として認められる項目について教えてよ

パソコンの費用は必要経費として認められる?

雑所得の必要経費を個別に見ていきます。 まず、原則としておさえておきたいのが、雑所得の必要経費に算入できる金額は次のとおりです。

・総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
・その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額 つまり、雑所得を得るために業務遂行上必要であると税務署に認められれば必要経費として認められます。

パソコンの費用としては、プロバイダ料金、サーバー料金、パソコン本体の料金など取引の記録から雑所得を得るために必要であると明確に区分できていれば必要経費としてみなされます。

交通費は必要経費として認められる?
交通費の考え方もパソコンと同様です。 業務遂行上必要と認められる、交通費(電車、バス、タクシー)、ガソリン代、高速料金、宿泊費用、駐車料金などは必要経費として認められます。

業務遂行上必要と認められない交通費は必要経費としては認められません。

東京に遊びに行くために利用した新幹線代などは雑所得の必要経費としては認められないということです。

雑収入を得るための打合せをするために利用した新幹線代は必要経費として認められるということです。

家賃は必要経費として認められる?
自宅兼事務所として利用している事務所の家賃は、事務所で利用している割合分を必要経費として参入することができます。
水道光熱費も家賃と同様の考え方ですので、自宅を事務所と兼用して利用している場合は事務所としてどの程度の敷地面積を利用しているのかを自己申告する必要があります。

概算の必要経費は認められる?
領収書を紛失してしまった場合に経費を概算で申告することは認められていません。
経費として認められるためには、必ず証拠資料として領収書を保管しておく必要があります。

ただし、例外として家内労働者(いわゆる内職者)には、家内労働者等の必要経費の特例は認められています。
家内労働者等の必要経費の特例とは、実際にかかった経費の額が65万円未満のときであっても、所得金額の計算上必要経費が65万円まで認められます。 家内労働者には特例として65万円までは必要経費として認められています。

雑収入に対して必要経費に算入できる割合はどれくらい?

昔は業種によって概算経費率が存在しましたが、現在は廃止されています。
参入できる経費の割合はどれくらいが適正かという正解はありません。
雑収入を得るために直接要した費用であれば割合がどのくらいであっても認められますので、かかった費用は正確に申告すれば割合が高くても問題ありません。

経費の上限が3割という意見がネット上に見受けられますが、概算経費率が存在しないため、必要経費が3割までは認められるという規定はありません。
きちんと領収書を保管しておき、必要経費として認められれば3割以上であっても以下であっても雑所得の必要経費として認められます。

じゃあ、必要経費に上限はないの?

雑所得にかかった必要経費に上限はありません。

1年間をとおして雑所得の必要経費はいくらまでしか申告できないという線引きはありませんので、根拠のある正確な経費を申告すれば指摘をうけることはありません。
1年間の必要経費を計算した結果、赤字になってしまったということももちろんありえます。

経費は専用クレジットカードを使った方が圧倒的に便利ですよ

経費の管理方法は様々な方法がありますが、つまるところ最終的に申告しやすい状態にしておけば良いのです。
この時、多くの場合が「領収書を紙で管理しておく」というやり方をとってしまっている場合が多いです。

しかし紙ではなくしてしまうことも多々ありますし、一枚一枚日付を確認して月ごとに振り分けるなどの作業が必要となります。
(保存しておくのも面倒ですね)

そこで「経費専用のクレジットカード」を作っておきましょう。

クレジットカードで支払うことで、オンラインでいつでも利用明細を見ることができますし(カード会社によっては保存期限が決まっている場合もありますので、その時は一括で画面を保存しておくと良いでしょう)。

いちいち紙で残しておく必要がありません。
間違えている方も多くいますが、経費申請は「領収書」である必要はありません。

「お金を使った」ということが証明できれば良いので、クレジットカードの利用履歴でもなんの問題ないのです。

そういった点を総合的に鑑みても専用のクレジットカードを作り、経費決済の際に利用するのが良いでしょう。

もちろん現金で支払って紙で保存する経費もありますので、「専用クレジットカードで管理+紙管理」にすることにより、管理を簡略化できるメリットがあります。

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【独立】個人事業主・起業家に役立つ話

税務署に開業届を出さずに個人事業を開始してしまったけど、どんな問題がある?もしくは問題はない?

開業届とは何か?


「開業届」とは、個人が事業を開始したことを税務署に届けるための書類です。
同時に、事業をやめるときは廃業届を提出します。

しかし、中には「起業してみたものの、まだ儲けも少ないから・・・」と考えている間に開業届を出すのを忘れてしまった人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、気になる開業届のあれこれについてご紹介します。

事業開始にあたって税務署に対する届出を「個人事業の開廃業届出書」と言います。
これがいわゆる「開業届」です。

個人事業主になると、事業の規模に応じて所得税が課せられます。また、事業の規模によっては個人事業税も発生しますし、消費税の課税事業者に該当する場合には、消費税の申告書を提出して納税しなくてはなりません。

開業届を提出すると、こういった税金関係のお知らせが税務署から届くようになります。
所得税と消費税は国税として税務署に納めますが、個人事業税は地方税として各都道府県税事務所に納めます。ちなみに、都道府県税事務所に提出する届出の名称は「個人事業税の事業開始等申告書」です。

開業届けの提出期限は、原則的に開業してから1か月以内ですが、未提出に関する罰則は定められていません。

また、「個人事業税の事業開始等申告書」については、確定申告をすると自動的に都道府県へ通知されるため、提出しない人もいるようです。

開業届を提出するメリットをご紹介

1.青色申告ができる
開業届を提出することによる最大のメリットは、確定申告で青色申告ができることでしょう。
青色申告をすると、年間収入から経費に加え65万円の控除ができるようになります。また、赤字が出た場合も3年にわたって繰り越しが可能です。

なお、青色申告をするにはあらかじめ税務署で手続きが必要になるほか、複式簿記による「仕訳帳」「総勘定元帳」の記帳と、貸借対照表と損益計算書の作成が必要です。

簿記の知識がない初心者には難しいように思えますが、最近は会計ソフトで簡単に記帳できます。
65万円の控除は個人事業主にとって大きいので、ぜひチャレンジするべきでしょう。

開業届と青色申告に必要な「所得税の青色申告承認申請書」は、同時に税務署に提出するという人が多いようです。

2.屋号の銀行口座が持てる
また、開業届を提出すると、屋号で銀行口座が開けます。
個人口座と事業用の口座は分けたほうが経理作業も楽になります。
また、屋号を名乗り口座を作ることで、社会的な信用も高まります。

開業届を出すにあたって注意すべきタイミング

1.会社を辞めて起業する人
今まで勤めていた先を辞めて独立・開業するという人もいるでしょう。こうした人のうち、雇用保険から失業給付を受けている人は、開業届のタイミングを見計らったほうが良いかもしれません。

失業保険を受け取る条件の1つに、「本人に再就職する意思と能力があること」が求められています。開業届を出して事業を開始している場合、「再就職する意思がない」と見なされるため、失業給付が受けられなくなる可能性があります。

なお、雇用保険の給付の1つに「再就職手当」もあります。これは、「再就職」という名前がついていますが、実は起業した場合でも受け取ることができます。

ただし、再就職手当を受け取るには以下の条件があります。
受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職、または事業を開始したこと。
就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。

また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待機期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
1年を超えて勤務することが確実であること。

原則として、雇用保険の被保険者になっていること。

過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。

受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。

“(出典:ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」)”

起業する人が再就職手当を受け取る場合には、「7日間の待機期間満了後に就職または事業を開始」しなければなりません。
したがって、在職中の場合や、退職届を出したり法人を設立したりした場合には認められないことになります。

起業したばかりだと、「1年を超えて勤務することが確実」という部分に引っかかりを感じる方もいるかもしれませんが、開業届や会社のウェブサイトなどのコピーを持参すれば認められることが多いようです。

なお、再就職手当の給付額は以下の通りです。
1.支給残日数3分の1以上、3分の2未満の場合 支給残日数 × 40% × 基本手当日額(1円未満切り捨て)
2.支給残日数3分の2以上の場合 支給残日数 × 50% × 基本手当日額(1円未満切り捨て)
(出典:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」)”

起業したばかりで何かとお金がかかる時期に、少しでも手助けになる手当がもらえると心強いですね。

2.配偶者の扶養で社会保険に入っている人
パートの主婦が夫の扶養に入れるかどうかの基準として、「年収130万円のカベ」などといいますね。
これは、健康保険や厚生年金といった社会保険の扶養に入るための限度額の基準のことで、パートや個人事業主であっても年収130万円を超えた場合、年金保険料を納める必要のない国民年金の第三号被保険者ではいられなくなります。

ただ、健康保険の場合、扶養の範囲を外れるかどうかは、加入している健康保険組合の基準によります。
「年収130万円」までであればOKという場合、「所得130万円」までOKという場合のほか、中には収入によらず「配偶者が自営業の場合、健康保険の扶養に入ることはできない」と定めていることもあります。

この場合、開業届を出していると自営業とみなされてしまいます。
そのため、扶養に入っている方は、開業届の提出前に配偶者が加入している健康保険の規約をチェックすることをおすすめします。

社会保険の扶養を外れると、年間十数万円以上の負担になります。

開業してそれ以上収益を上げている場合は気にする必要はないかもしれませんが、微妙なラインという場合は扶養の範囲内にとどめるのが得策でしょう。

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独立開業資金の調達方法についてお教えします。自治体の制度融資を利用しましょう!

さて、開業した際の資金調達には様々な手段がありますが、会社を作る予定の自治体がサポートをしてくれるタイプの融資もあります。

通常の金融機関ではなかなか融資を受けられない場合の補完として、自治体による制度融資というものがあります。

資金調達方法を検討している方に参考になる制度融資について、ここでは紹介していきます。

自治体の制度融資とは何か?

自治体が持つ制度融資という制度はどんなものなのでしょうか?

大まかには、中小企業やこれから企業をしようとしている方向けに、民間の金融機関よりも安い金利で融資を受けることができるよう各自治体が行っている金融制度をまとめて呼んだ総称とされていることが多いです。

1回の融資を行う際に関係している企業や団体は通常の金融機関よりも多く、自治体、金融機関、信用保証協会、民間の金融機関となっています。

通常よりも低い金利で金融機関がお金を融資する形になっているため、本来は金融機関のもらえる利益はその分低くなるはずですし、融資先も起業する方や中小企業となりリスクも大きくなります。

そのため、自治体は信用保証協会を通じて金融機関に資金の一部を預け入れることで間接的に民間の金融機関のリスクを減らす役割を担っています。

万が一金融機関に返済ができなくなってしまった場合、信用保証協会が金融機関に返済を肩代わりし、借入を行った方はその後信用保証協会に返済を行うという形になります。

それにより、金融機関は通常考慮すべきリスクを考えなくて良くなるため、中小企業や起業する方に融資がしやすくなるという仕組みです。

自治体ごとに実質の融資を行っているため、エリアによっても融資額や融資の内容は異なっています。

このような制度融資は都道府県で行っているものもあれば、市区町村で行っているものもあります。

詳細な制度内容については各自治体で異なるため、制度融資を検討する場合には各自治体に問い合わせるようにしましょう。

例として東京の制度融資について紹介していきます。

東京都中小企業制度融資について、分かりやすく説明します

大きく融資の用途が3つとなり、

「様々な事業運営に活用」

「新たな事業展開に活用」

「経営の安定化に活用」

といった用途となります。

「新たな事業展開に活用」の中には創業のための融資の項目があり、東京都内で個人であれば1年以内、法人であれば2年以内に創業を予定しており、具体的な事業の計画と必要であれば許可や認定を受けていることを条件に融資を受けることができます。

融資の用途としては設備資金と運転資金になり、融資期間は設備資金であれば7年、運転資金であれば10年が設定されています。

どちらについても金利のみを返済する据置期間が1年で設定されており、通常の融資と比べると比較的長めの期間が設定されています。

この融資には金利とは別に発生する信用保証協会への保証料の半分を補助してくれる内容も盛り込まれています。

制度融資を活用するメリットとデメリットについてもそれぞれ紹介していきます。

メリット

何と言っても、通常よりも融資を受けやすいという点が挙げられます。

もちろん全ての融資に対して承認が出るわけではないですが、信用保証協会と自治体のバックアップありきの融資になるため通常よりも受けやすいこととなります。

また、低金利であることもメリットの一つです。
融資を受けやすくかつ低金利ということで、まさに起業をする方からするとメリットの多い制度になっています。

創業前の申込ができたり経営相談ができたりするといった場合もあります。

デメリット

基本的に法人の住所がある自治体の制度しか使うことができません。

そのため、受けられる融資条件などを選ぶことができず既に決まっているということになります。

また、金利は安いですが信用保証協会が間に入るため保証料が発生します。

金利だけでなく保証料の計算もした上で返済のスケジュールを立てる必要があります。

もう1点は融資を受けるまでにかかる時間が長いという点です。

金融機関から通常の融資を受けるのとは異なり関係する組織の数が多いため複数の承諾や審査を通る必要があり、結果としてかかる時間が長くなってしまいます。

場合によりますが1ヶ月程度は見ておいたほうが良いでしょう。

信用保証協会とは? 分かりやすく説明します

金融機関に対して資金の預託をしている信用保証協会ですが、どういった協会なのでしょうか。

信用保証協会制度融資の目的と同じく中小企業や起業する方向けに資金面のサポートをすることが目的の協会となっています。

特徴としては、直接融資を行うのではなく金融機関に対して信用保証を提供しているという点になります。

各都道府県とは別に横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市にもあり、それぞれの都道府県と市で活動を行っています。

この保証のメリットについてもいくつか紹介していきます。

融資を受ける枠を拡大できる

通常の融資とは別に、保証付きの融資を金融機関から受けることができるようになるため、融資してもらう金額を増やすことができます。

無担保で利用することができる

不動産等の担保が無くても利用することができます。

保証人が不要

個人事業主の場合には保証人の必要は原則無く、法人の場合は法人代表者のみが保証人となり連帯保証人は不要となります。

融資の申し込みと実行手順についてご説明します

実際に融資を受けるまでは大きく4つのステップがあります。

それぞれ
「利用する融資の内容と金融機関を決める」

「該当する地方自治体で紹介状をもらう」

「申込・書類の提出」

「面談・審査」

となります。

利用する融資内容と金融機関を決める
どの融資を活用するかは各自治体で使える融資内容が異なるため確認するようにしましょう。

先に紹介した横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市のいずれかに該当していなければ基本的に各都道府県の窓口に問い合わせるか、ホームページから融資の内容を確認するようにしましょう。

該当する地方自治体で紹介状をもらう
各自治体から紹介状をもらうことが必要となります。

窓口に行って斡旋の申込をし、紹介状をもらうという流れになりますが、面談などが発生する場合があります。
審査が通ると紹介状が送られてきますので各種書類の提出と申込となります。

申込・書類の提出
申込と書類の提出はまずは金融機関から先に始まります。

まずは指定の金融機関に出向き融資の申込書を行います。

紹介状の他に、創業計画書、印鑑証明、登記事項証明書、事業に必要な許認可の写しなどが必要となります。

融資の内容や自治体によって異なる場合があるので事前に確認するようにしましょう。

その後、信用保証協会への申込を行う流れとなります。主な書類としては信用保証委託申込書、企業概要、信用保証依頼書、信用保証委託契約書、個人情報の取扱にかんする同意書、登記簿謄本、印鑑証明などがあります。

面談・審査
金融機関と信用保証協会への申込が完了すると、今度は先に信用保証協会の審査があり、その後金融機関の最終審査を経て融資に至ります。間で面談が必要になる場合もあります。

注意事項などを説明しますね。

かなり融資を受ける側にメリットのある内容ですが、注意点としては金利とは別に保証料が発生するという点になります。

通常の融資と比べると金利を安く抑えることができますが、日本政策金融公庫からの借入のような金利が安く保証料が発生しない融資を受けることができるのであれば、まずは条件を比較してみた方が良いでしょう。

開業したての場合は設備にも当面の事業運営にも資金が必要となります。

また、早くから起業をする場合は人の繋がりなどもまだ少なく保証人を探すのに苦労するといったこともあるかもしれません。

そのような場合、資金調達に制度融資を検討してみると良いでしょう。

【独立】個人事業主・起業家に役立つ話

個人事業主が法人成りすべきか?やめるべきか?を判断するときの見極めるポイントをわかりやすくご説明します。

さて、個人事業主としてスタートしたけれど、途中から法人に変えことを検討している方も多いのではないでしょうか?

ですが、個人事業主と法人は行っている事業が同じでも、税金や社会からの見られ方の面で大きく異なります。

個人事業主が法人成りをすべきかどうかを判断するポイントと、個人事業主と法人成りのそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。

行政的な観点からの違いは、どんな感じ?

まず、個人事業主と法人では、行政からの扱いとしてはどのように違うのでしょうか?

まずは法人についてですが、法律に従って「株式会社」「合同会社」などの法人格を持っている組織のこととなります。

法人格を持つと、契約や納税などは全て法人の区分けで行うこととなります。

一方、個人の場合はあくまで個人のままとなり、弁護士事務所や税理士事務所の責任者であっても、法人格を持っていなければ全て個人事業主となります。

この場合契約や納税などは個人の区分けで行うこととなります。

この区分けの違いにより、課される税金の種類や税率が異なってきます。

また、法人の場合守るべき法律や会計方法、手続きなどが個人の時に比べて簡易的でコストも抑えるため、今の事業であまり規模をかえずに運用することを重視している場合には個人事業主の方が比較的メリットが多い場合があります。

一方、責任の観点から見ると個人事業主は「無限責任」、法人成りをした事業主は「有限責任」となっています。

万が一倒産した場合、個人事業主の場合は追っている負債を全て個人で賄う必要があり、時には個人の資産を処分してでも返済する必要があります。

一方、法人の場合は事業と個人は別れているため、原則的には負債に対する責任を持ちません。

たた、融資を受ける場合は連帯保証として事業主個人を求められることが多く、その場合は事実上個人が会社の負債の責任を持っていることになります。

個人事業主と法人で税務的な観点からの違いはをご説明します

個人事業主が法人化すべきか、それともあくまで個人事業主として事業を行っていくかの観点の1つに、税務的な観点からの違いがあります。

大きく違いが出るのは、個人事業主での所得税と法人での法人税の部分ですが、どちらの形態を取るかによって、収めるべき税金の種類が異なってくるため、税金の種類についても説明します。

個人事業主の場合

納める税金は大きく4つの種類となります。

「所得税」
「住民税」
「個人事業税」
「消費税」

となり、内容は下記の通りです。

所得税:
1年間での所得の大きさに対してかかる税金のことです。
所得の金額によってそれぞれ税率が定められており、5%~45%とかなりの幅があります。

住民税:
1月1日の時点での住所の場所によって収める場所は変わりますが、住んでいる市町村に収める税金のことです。
前年の所得の大きさに合わせて課税される「所得割」と自治体によって課税の大きさが異なる「均等割」の2つの合算となります。

個人事業税:
所得税や消費税とは全く別物として都道府県に対して収める税金となります。
税金の金額は収入から必要経費・専従者給与・事業主控除などの控除引いたものに、税率をかけ合わせて金額となります。

税率は営んでいる事業によって変わり、3%~5%となっています。

消費税:
サービスや物の取引の際に発生する税金で、現時点で8%になっています。

法人化した場合

法人化した場合も厳密にはかなりの種類の税金の種類がありますが、

主に4つで

「法人税」
「法人住民税」
「法人事業税」
「消費税」

となります。

消費税は個人事業主での内容と同じになるため、それ以外については下記となります。

法人税:
法人税は国に収める「法人税」と地方に収める「地方法人税」があります。

「法人税」については、会社の利益から損金を引いた金額を所得金額とした時、所得金額に法人税率をかけあわせたものとなります。

税率については所得金額が800万以下の場合は15%、800万を超える場合は23.4%となっています。

「地方法人税」については「法人税」の金額に4.4%をかけ合わせた金額となり、どちらも支払うことが必要となります。

法人事業税:
国ではなく自治体に納める税金となり、住所がある場所によって金額が異なります。計算方法としては所得金額に税率をかけ合わせた数値となります。税率は所得の大きさによって異なります。

法人住民税:

法人事業税と同じく、自治体に収める税金となるため住所によって金額が異なります。

個人事業主の住民税と同じように所得割と均等割があります。

どちらの方が税金の面で得をするかについては様々な考え方がありますが、大きく違うのは個人事業主では所得税がかかり、法人では法人税がかかるという点です。所得税は所得の大きさに応じて課税される税率が変わってきますが、法人税の場合は一定の所得金額を超えると税率が一定になります

ただ、法人の場合は利益が出なかったとしても法人税の均等割の金額は課税されます。

その点、個人事業主の場合利益がでなければ所得税の収めはありません。

また、経費として認められる範囲が違う点も大きな違いとなります。法人の場合の方が経費として認められる範囲が広く有利に働く場合があります。

そのため、規模を拡大し売上・利益を上げていく想定で事業を行っている場合、法人にしておいた方が税金面で得になるケースがあります。現在自分が行っている事業は、どこまでの成長を視野にいれているのかで判断すると良いでしょう。

信用面・手続き面の違いはどんなものがあるのかをご説明します

法人と個人事業主では、取引先からすると信用面の違いも出てきます。

個人事業主は法人と比べて開業するためのハードルが低い分、主に資金面において信用度が低くなりがちです。

法人の場合取引先を選ぶ際に与信という考え方がありますが、個人を相手に取引をする場合一定の金額までしか取引をしない、もしくは個人とは取引をしないという考えの会社もあります。

自分が行っている事業のジャンルと取引金額を考えた際、取引先の傾向としてどういった傾向が多いのかなどは事前に把握した上で決めた方が良いでしょう。 また、手続き面でも大きな違いがあります。

個人事業主の場合、開業届けを提出していれば大きな手続きは無く事業を始めることができ、確定申告の手続き程度となります。

一方、法人の場合、まず登記が必要となり6~25万円の費用も必要となります。
また、定款の作成といった手続きも必要となります。

事業運営している中でも守るべき法律も多く手続きも多いため、個人事業主と比べると手続き面の負担があると言えます。

税金面と手続き面を合わせて考えた場合、法人の場合は登記の際に手続き面が多少複雑で事業運営上の手続きも多いものの、利益を伸ばしてくことを考えれば税金面で有利に働く点が多い一方、個人事業主の場合は開業には手続きと費用の負担は少なく始めやすいものの、税金面で有利に働く点が少ないということとなります。

それぞれのメリットとデメリットをご説明します

このように個人事業主と法人成りを見る観点によってメリットとデメリットが変わってきます。

あらためてメリット・デメリットをまとめてみましょう。

法人成りのメリット

有限責任にできる:
法人と個人を分けて考えるため、負債を負った時の責任を有限にできます。

ただ、事業主が連帯保証に入っている場合は実質無限責任になることもあります。

事業を伸ばす場合、節税になる:事業での利益にもよりますが、ゆくゆくは事業を伸ばす予定がある場合、節税することができます。

信用力がある:

与信や基盤の安定面で個人事業主よりも信用力が増します。
会社によっては法人でないと取引できないケースもあり大きなメリットとなります。

法人成りのデメリット

赤字でも税金がかかる:
法人住民税の均等割りのおよそ7万円が赤字であってもかかります。
個人事業主の場合は利益がでなければ税負担はありません。

手続きの量が多く複雑:
登記に始まり事業運営上必要な手続きが多くあります。

個人事業主を継続するメリット

利益が出なければ税負担は無い:
赤字であれば所得税・住民税の負担が無いため、赤字の状態でも支払いが発生することを防げます。

手続きが簡単:
現状の事業のまま規模を変えずに運営していくのであれば、手続き面が少ないことは大きなメリットになります。

個人事業主を継続するデメリット

経費として計上できる項目が少ない:

法人に比べて経費として計上できる項目が少なくなります。
例えば自宅の家賃ですが、個人事業主の場合は使用している割合に応じて経費として計上する形となります。
一方法人の場合は契約を個人から法人に変え社宅とすれば、社宅として給与から引かれる分を経費として計上できます。

信用力が無い:

個人の場合はどうしても基盤の安定性の面で信用が落ちてしまいます。
それにより取引できない会社も出てくる可能性があります。

メリット・デメリットと事業の将来を加味して判断を
個人事業主と法人成りには良い点も悪い点も両方があります。自分の事業を今後伸ばしていきたいのか、それとも維持できれば良いのかを考えて選ぶ必要があります。

節税のメリットや信用度など全体を見ながら判断していくことが必要です。

【独立】個人事業主・起業家に役立つ話

個人事業主が法人成りをする時に知っておくべきステップって何? わかりやすく説明します。

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【独立】個人事業主・起業家に役立つ話

新創業融資制度と制度融資の違いと注意すべき点をわかりやすく説明します。

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【独立】個人事業主・起業家に役立つ話

税務署に開業届けを出して個人事業主となった場合、収入が130万円未満であれば健康保険は扶養家族のままでいられるの?

さて、ひとくちに「起業」といっても事業規模は様々です。

例えば、「夫の扶養家族になっているが、自宅で料理教室やネイルサロンを開業したい」という方もいるでしょう。
そういった方が開業届を出して事業主となった場合、引き続き扶養家族として、税金や健康保険、年金その他のメリットを受けることは可能なのでしょうか。

今回は、開業届を出して事業主になった場合の税金や健康保険などについてご紹介します。

扶養の範囲内で個人事業主として開業できます!

まず結論から言うと、「扶養の範囲内で個人事業主として開業することは可能」です。

開業届と社会保障の間に関係はありません。

なお、法人として起業した場合は、社長ひとりであっても社会保険に加入する義務があるので、扶養にはなれません。

日本の税制には「配偶者控除」や「扶養控除」という仕組みがあり、扶養する家族がいる人は年間所得から一定額が差し引かれ、税金が安くなります。

例えば、主婦が配偶者の扶養に入っている場合、年間38万円を超える所得があると、配偶者控除が受けられなくなります。

パートの主婦が夫の扶養に入れるかどうかの基準として、「年収103万円のカベ」「年収130万円のカベ」などと表現されることもあります。

まずは、この2種類を見ていきましょう。

「年収103万円のカベ」についておさらいしましょう

まず、パート主婦で言うところの「年収103万円のカベ」について。

これは、給与所得が103万円のパート主婦の場合、勤め人を対象にした65万円の給与控除を差し引くとちょうど所得は38万円になります。
そこから基礎控除の38万円を差し引けば、所得は0円と
いうことになるので所得税が発生せず、配偶者控除も受けられます。
さらに配偶者の税金も安くなり、良いことづくめです。

また、上記の配偶者控除と混同されやすい制度に「配偶者特別控除」があります。
これは、「配偶者の所得が38万円超76万円未満の場合、一定額の所得控除を受けられる」という制度です。つまり、38万円以上の収入がある場合も、76万円未満であれば、扶養家族としてみなす、ということです。

なお、2018年から配偶者控除が見直しとなり、年収103万円が150万円に引き上げられることが決まっています。
配偶者特別控除についても年収要件が201万円まで拡大されるので、より扶養内で働きやすくなると言えるでしょう。

「年収130万円のカベ」は所得ではなく収入です

次に、「年収130万円のカベ」についてです。
これは、健康保険や厚生年金といった社会保険の扶養に入るための限度額を指しています。

年収130万円を超えた場合、パート主婦であっても年金保険料を納める必要のない国民年金の第三号被保険者でいられなくなります。
この場合、個人事業主と見なされるので、自分で社会保険料を納めなくてはなりません。なお、こちらの130万円という額は所得ではなく「収入」なので、違いに注意が必要です。

配偶者の扶養に入っている人が個人事業主として開業した場合は?

ここで、配偶者の扶養に入っている人が個人事業主として開業したケースに戻ります。

パート主婦と同様に、年間38万円以上の所得があると配偶者控除が受けられなくなりますが、このとき注意しておきたいのは「パートやアルバイトなど給与所得者の“収入”」と「個人事業主の“所得”」は考え方が違うという点です。

個人事業主の“所得”とは、収入から必要経費を引いたものを指します。

1.所得税・住民税について
まず、「年収103万円のカベ」にかかわる所得税の課税ラインです。
収入から必要経費を引いたものが個人事業主の“所得”ですが、さらに確定申告で青色申告をし、一定条件をクリアすると追加で65万円が控除されます。
つまり「収入―経費―65万円=所得」となります。 この所得が38万円以下であれば、所得税は課税されません。

なお、青色申告をするには、あらかじめ税務署で手続きが必要になるほか、複式簿記による「仕訳帳」「総勘定元帳」の記帳と、貸借対照表と損益計算書の作成が必要です。

簿記の知識がない方にとっては少しハードルが高く感じるかもしれませんが、最近は会計ソフトで簡単に帳簿付けができます。

ですから、収入がある程度見込めるのであれば、チャレンジしてみてもいいでしょう。

一方、住民税については自治体によって課税基準が異なり、38万円以下でも課税されることがありますので確認が必要です。

2.社会保障について
ついで、「年収130万円のカベ」といわれる社会保険についてです。青色申告の65万円は税金に関してのものなので、社会保険での扶養には適用されません。

・健康保険について
加入している健康保険組合によって扱いが異なります。個人事業主であっても「年収130万円までであればOK」という場合や、「所得130万円までOK」という場合もありますし、中には個人事業主は全てNGという場合という場合もあるのです。

また、「年収130万円」までという条件の場合、費用は引けませんので注意しましょう。

・国民年金について 国民年金については、130万円までの収入であれば第三号被保険者として扶養の範囲に入ることができます。国民年金の扶養判定は、収入から費用を差し引くことができます。

赤字なら確定申告しなくてもいいの?

個人事業主の場合、事業所得が38万円以下であれば確定申告をしなくても良いとされています。

これは、所得から基礎控除の38万円を差し引けば、所得が0円になるためです。

ただし、赤字の場合は、翌年以降に事業が軌道に乗って収益が出せた場合に、赤字を繰り越すことができるので、翌年以降に節税するためにも確定申告しておくことをおすすめします。

なお、この場合は最長3年間赤字が全額繰り越せるため、青色申告がおすすめです。

【注意!】扶養から外れると、保険料だけで年間30万円の負担増!

ここまで、配偶者の扶養に入っている人が個人事業主として開業するケースについて見てきました。年収130万円のカベを超えてしまうと、扶養から外れて自分で社会保険料を納めなくてはならなくなります。

この場合、健康保険料と国民年金の負担だけで、年間だいたい20万~30万円もの負担が増えてしまいます。

個人事業主として開業し、この分を負担してもプラスになるほどの収益を上げられているなら気にする必要はありませんが、微妙なラインという場合は年収130万円以内に収めておくのが得策と言えるでしょう。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。